とある昼下がり、お昼ご飯でカードを使おうと思った時のこと
お店Aの店員さん「ランチはクレジットカード利用できなよ!」
お店Bの店員さん「クレジットカードだと料金変わるよ!」
お店Cの店員さん「生憎3,000円以上じゃないとクレジットカードは使えないよ!」
(#^ω^)ピキピキ
さて、お店からこういうことを言われた場合、「加盟店規約違反だ!」という話をよく聞きます。
今回は、「加盟店規約違反とは何か?」「上記のような事例が本当に規約違反に当たるか?」「加盟店規約違反は違法か?」という皆様の
各社加盟店規約
加盟店規約とは、加盟店(カード決済や電子決済を導入しているお店)が、日本国内の店舗、施設において信用販売(カード決済や電子決済の取り扱い)を行う場合に適用される加盟店とカード会社との契約関係を定めるものです。
要は、お店とカード会社の約束事ですね。
※カード会社の他に加盟店管理業者(アクワイアラ)も加盟店規約を定めています
この規約については、各カード会社がそれぞれ発行しており、少しづつ中身が異なります。
加盟店規約の各社例
さて、加盟店規約についての説明が済んだので、本題です。
下記のような事例がそれぞれ加盟店規約に違反しているかどうか、実際の規約と照らし合わせながら確認していきたいと思います。
①ランチはクレジットカード利用不可
②レジットカード支払いだと請求金額が増える
③〇円以上の決済の場合でのみ、クレジットカード利用可能
まずは皆大好き楽天カードの規約です。
第2条(信用販売等)
1.加盟店は、次の各号で定めたクレジットカード等のうち当社が指定するクレジットカード等(以下「カード」という)を交付又は付与されたカード会員(以下「会員」という)がカードを提示又は通知して、商品・権利又はサービス・役務(以下それらを総称して「商品等」という)の販売又は提供を求めた場合及び加盟店の営業に属する取引を求めた場合には、本規約に従い現金で取引を行う顧客と同様に信用販売等を行うものとします。
引用:楽天カード加盟店規約
上記では、「カード支払いのお客」も「現金支払いのお客」と同等に扱いなさいと書かれています。
①②③はどれも現金払いのお客と同様の対応とは言えないので、加盟店規約に違反していると考えられます。
次は大御所、三井住友カードです。
第4条(信用販売)
1.加盟店は、会員が、カードを提示して、物品の販売、サービスの提供、その他加盟店の営業に属する取引を求めた場合は、本規約に従い、現金で取引を行う顧客と同様に、店頭において信用販売を行うものとします。
こちらも、楽天カードと同じく、「カード支払いのお客」も「現金支払いのお客」と同等に扱うように記載されていますね。
なので、①②③はどれも現金払いのお客と同様の対応とは言えないので、加盟店規約に違反していると考えられます。
お次は、日本を代表するクレジットカード会社JCBです。
第11条 (加盟店の義務、禁止行為等)
2. 加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
引用:JCB 加盟店規約
見て分かる通り、かなり踏み込んで言及されていますね、、
明確に「カードの利用を拒否してはいけない」「現金支払いと異なる金額を請求してはいけない」とあります。
③については、明確な言及はなかったものの、①②についてははっきりと書かれているので、加盟店規約違反で間違いないでしょう。
続いては、みんな大好、とーみねも大好きアメックス!
2 信用販売の方法
c 差別的取扱いの禁止加盟店は、直接的か、間接的かを問わず、以下のことを行ってはなりません。
(i) カード会員にカードの使用を控えさせようとすること。
(ii) カードまたは当社のサービスまたはプログラムについて、批判したり、誤った理解をさせたりすること。
(iii) カード会員に対し、その他の支払手段または他の支払方法(例えば現金払い)を使用するように説得しようとしたり、促したりすること。
(iv) カードに優先して、その他の支払手段(加盟店が指定店舗でのみ使用するために発行する加盟店自身のカードを除く。)の使用が促進される行動をすること。
(v) カードの使用を希望するカード会員に対し、その意向が抑制させるような言動をすること。
(vi) カード会員に、追加料金を請求したり、価格を上乗せしたりすること。
(vii) 当社 及び当社の関連会社の事業またはブランドを害する活動に携わること。
(viii) 信用販売について、その他の支払手段には要求しない何らかの制限または条件を課し、またはカードまたはカード会員を経済的に不利益に取り扱うこと。
かなり細かいです。笑
①②③の全てに対して、明確に禁止している旨が記載されていますね。
アメックスではそもそも、カードの利用を控えさせようとする行為そのものが許されていません。
最後に、今乗りに乗ってるコード決済PayPayです。
第15条 加盟店の禁止行為
加盟店は、次の各号に定める事項を行ってはならず、また、加盟店の役員もしくは従業員または第三者をして次の各号に定める事項を行わせてはならないものとします。なお、加盟店は、加盟店の役員または従業員が次の各項に定める事項を行ったとき、または第三者をして当該事項を行わせた場合、加盟店自らこれを行ったものとみなすことをあらかじめ了承するものとします。
(4)有効なトークンを提示したカード会員に、正当な理由なく信用販売の拒絶や現金支払いを要求すること
(5)有効なトークンを提示した会員に対して、手数料その他名目の如何を問わず、現金による支払いを行う顧客により高額となる代金を請求するなど、カード会員に不利となる差別的な取扱いを行うこと第18条 禁止事項
1. 加盟店は、以下の行為(商品等の提供が以下の行為に該当する場合を含みます。)を行ってはならないものとします。
(1)正当な理由なく利用者とのPayPay残高取引を拒絶したり、現金その他の支払手段による決済を要求したり、現金その他の支払手段による場合と異なる代価を請求する等、PayPay残高取引によらない一般の顧客よりも不利となる差別的な取扱いをする行為
引用:PayPay加盟店規約
油断してましたでしょうか?
加盟店規約はカード会社だけではないんですよ!
PayPayにも加盟店規約は存在します。
PayPayでも「水増し請求」や「ランチ利用不可」をはじめ、PayPayユーザが不利となるような扱いは禁止されているため、①②③の全てが加盟店規約違反と言えます。
5つ例を挙げましたが、見てもらえば分かる通り、基本的にどこのカード会社でも①②③は規約違反です。
なので、お店の方は今一度お店のルールを見直してみてください。
加盟店規約違反の罰則について
さて、では加盟店規約は違反した場合、お店はどのような罪に問われるのでしょうか?
実は日本では、加盟店規約違反に対しての法的罰則はありません。
では、違反した場合誰からどのような罰則を受けるのでしょうか?
答えは簡単です。
カード会社(または、加盟店管理業者)から、指導を受けることになると思います。
要はちゃんと規約を守りなさいというお叱りを受けるわけですね。
指導により、是正がされない場合には、最悪契約の解除といった対応もあり得ると思います。
ちなみに海の向こうでは、懲役も科せられる重罪だったりするらしいです。
加盟店規約違反の通報
では実際に「カード利用不可です」と言われた場合、どうすればいいでしょうか?
お店の人に「加盟店規約違反ですよ!」と言ってみるのも一つの手ではあると思いますが、全てが話合いで円満解決するわけではないと思います。
どうしてもこの思いを誰かに伝えたい!という方は、クレジットカード裏面の電話番号に連絡してみましょう。
悪質と判断されれば、カード会社からお店に指導が入る可能性もあります。
実際JCBでは、以下のようにカード裏面の番号に連絡をくださいと書かれています。
Q. JCBカードで支払うと、手数料がかかると言われました。
A. JCBでは加盟店との契約で、手数料の上乗せ行為を禁止しています。
万が一そのような行為があった場合は、加盟店に是正指導を行いますので、カード裏面に記載のカード発行会社までご連絡ください。※海外加盟店については、お客様へのご請求時に加盟店が手数料(サーチャージ)を加算することを国または地域が認めている場合があります。
※国や地域によっては加盟店への是正指導を禁止している場合もありますので、ご理解くださいますようお願い申しあげます。
個人的にはお店の事情も分からなくはないので、やたらめったら通報したりはしませんが、請求金額の水増しだけは許しません!絶対!
いかがでしたでしょうか?
少しでも胸のモヤモヤ解消に貢献できていれば幸いです。
以上、「ランチでクレジットカード使えません」は加盟店規約違反?についてでした。